コラム①でべそのお話し
当院では臍ヘルニアの圧迫療法を行っています。
でべそってどうして出来るの?
赤ちゃんの「でべそ」とは医学的には臍ヘルニアといいます。赤ちゃんは、お母さんのお腹の中では胎盤から臍帯(へその緒)を介して栄養をもらったり、老廃物を処理したりしています。そのため、へその緒をお腹の中に通すためにお臍の所だけ筋肉や筋膜がありません。生後しばらくして、へその緒が乾燥して脱落しますが、その際に何らかの理由でへその緒の代わりとなるふた(結合組織)ができないと、おなかの圧力に負け、すきまから腸が飛び出してきて臍の部分が膨隆し、でべそ(臍ヘルニア)となります。
でべそって治るの?
でべそは5~10%の赤ちゃんにみられ、生後3ヵ月頃までに程度が一番強くなりますが、その後、徐々に小さくなり1才頃までには約80%が自然に治ります。しかし、自然に治らなかった場合や、治った場合でも皮膚が伸びてしまって醜形を残す場合には手術が必要となることから、皮膚の伸展を防ぎ、また治癒率も高めることが分かってきた圧迫療法を早い時期から積極的に行うようになってきました。
臍ヘルニア圧迫療法について
圧迫療法は早めに始めた方が治癒率が高いというデータもあり、当院でもなるべく早く圧迫療法を行うことをお勧めしています。圧迫療法はおへその大きさに切ったスポンジと防水フィルムを使って行います。防水フィルムで覆うため、そのまま入浴も普通に行えますが、貼っている間は中を洗えないため、約1週間に1回のペースで張り替えを行います。この方法で多くは1~3ヶ月治療を行うとへその陥凹が得られ治療を終了できます。この方法は自然治癒を促す治療であるため、中々治らず長期間の圧迫を必要とする方、自然治癒の得られない場合があります。
当院では1~2歳を超えても自然治癒が得られない場合、
皮膚のたるみが強く醜形を残してしまっている場合は
手術の適応と考え、手術の出来る専門施設へのご紹介を行っています。